こんにちは。サメハダです。
今回もトライオートETFの証拠金を、ストレステストにて検証するというテーマです。
前回に続き、第二回目となります。お時間のある方は、よければ第一回目から読んでみてくださいね。
今回はストレス・ロスカットゼロ証拠金(SMM:Stressed Maximum Margin)でカバーするリスクの評価という内容を考察していきます。
シリーズを通して、安心・安全を追求した証拠金はいくらか?という疑問の解消に取り組みました!

第二回目のテーマはリスクの評価。はじまるで~
前回のおさらい
簡単に前回までのおさらいです。
前回は、ロスカットのない証拠金(MM)とさらにそれにストレスをかけたロスカットのない証拠金(SMM)の2通りの計算をして、数値を比較しました。

ある2つの例における計算結果は次の通りです。どちらもSMMはMMの19%増になっていました。
パターン | MM | SMM | 増加金額 | 増加割合 |
---|---|---|---|---|
A | 557,777円 | 661,777円 | +104,000円 | +19% |
B | 385,333円 | 457,333円 | +72,000円 | +19% |
今回は、リスクの評価ということで、そのリスクの発生確率やSMMによって得られるメリットやデメリットについて考察したいと思います。
- SMMでは防げるが、MMで防げないリスクについて評価する。
リスクの評価

まずそもそも、リスクとはなんでしょうか。
リスクには複数の意味合いがあります。
投資や金融工学の世界では、リスク=ボラティリティ(標準偏差)という一般的です。簡単に言えば、価格の変化度合いの大きさということです。プラスの変化もマイナスの変化もどちらも含みます。
- 標準偏差(ボラティリティ):アップサイドとダウンサイドどちらも含む
一方、保険や災害管理の世界では、リスク=危険性という意味で使われます。マイナスの変化(ダウンサイドリスク)のみを指す意味合いです。
- 危険性:ダウンサイドのみ
今回の証拠金の安全性のテーマにおいては、ロスカットされるかされないかの悪い変化しか見ていないため、リスク=危険性という意味合いで説明していきます。
- 危険性:ダウンサイドのみ

リスク=危険性という定義はわかりました!
では、リスクはどのように評価するべきでしょうか。3つの切り口で考察していきたいと思います。
切り口①:SMMの確率と影響度
リスク評価の基本は、確率と影響度のバランスをみることです。
- 確率と影響度がどちらも大きい・・・リスク大
- 確率と影響度がどちらも中くらい、または、どちらかが大きくどちらかが小さい・・・リスク中
- 確率と影響度がどちらも小さい・・・リスク小

【軸1:影響度】 ロスカットされたときの損失
まずは、影響度から求めていきます。
ロスカットされた場合の損失はどの程度でしょうか。
これはシンプルに証拠金預託額です。

強制ロスカットによって評価損が確定され、証拠金預託額と相殺されます。
オプションの売りポジションにおいて、理論上は無限の損失もあり得ます。それに比べると、CFD取引は損失が証拠金預託額に限定されていることは有難いですが、やはり証拠金預託額が0になってしまうことのダメージは大きいです。
ロスカットされたときの損失・・・証拠金預託額の全て
【軸2:確率】 急落でロスカットされてしまう確率
確率を求めてみましょう。まず、どのような現象をリスクと考えているかを、下の図で確認します。
- 必要証拠金600円以上ゾーンからの急落によるロスカット

今回リスクと考えているのは、MM(ロスカットゼロ証拠金)を積むことで、0円まで耐えられる状態だと思っていたにも関わらず、必要証拠金が500円より大きかったため、想定より早くロスカットされてしまう状態です。
つまり、必要証拠金が600円以上(つまり前日終値が2500円以上)の状態からの急落です。
このようなロスカットはどのような場合に生じるかを、下の例で簡単にシミュレーションしてみます。
例として、160~131㌦のレンジに1㌦毎に30本のトラップを敷いた場合を考えます。ドル円レートは110円。(なお、簡略化のため、始めからすべてのポジションを保有し、売りは成立していないものとしています。)

ちなみにこのとき、MM(Maximum Margin)は495,150円です。
買い価格 | 口数 | 元本 | 必要証拠金(最低) |
---|---|---|---|
160 | 1 | 17600 | 500 |
159 | 1 | 17490 | 500 |
158 | 1 | 17380 | 500 |
157 | 1 | 17270 | 500 |
156 | 1 | 17160 | 500 |
155 | 1 | 17050 | 500 |
154 | 1 | 16940 | 500 |
153 | 1 | 16830 | 500 |
152 | 1 | 16720 | 500 |
151 | 1 | 16610 | 500 |
150 | 1 | 16500 | 500 |
149 | 1 | 16390 | 500 |
148 | 1 | 16280 | 500 |
147 | 1 | 16170 | 500 |
146 | 1 | 16060 | 500 |
145 | 1 | 15950 | 500 |
144 | 1 | 15840 | 500 |
143 | 1 | 15730 | 500 |
142 | 1 | 15620 | 500 |
141 | 1 | 15510 | 500 |
140 | 1 | 15400 | 500 |
139 | 1 | 15290 | 500 |
138 | 1 | 15180 | 500 |
137 | 1 | 15070 | 500 |
136 | 1 | 14960 | 500 |
135 | 1 | 14850 | 500 |
134 | 1 | 14740 | 500 |
133 | 1 | 14630 | 500 |
132 | 1 | 14520 | 500 |
131 | 1 | 14410 | 500 |
合計 | 30口 | 480,150円 | 15,000円 |
ロスカットゼロ証拠金(MM:Maximum Margin)は480,150+15,000=495,150円
このようにMMを積んでいるにも関わらず、ロスカットされてしまう急落とはどんなケースでしょうか。前日価格と当日価格のそれぞれを、変化させたシミュレーション結果がこちらです。
- 前日価格:25㌦~100㌦
- 当日価格:1㌦~20㌦(0㌦は非現実的であるため除外)
- 有効比率が100%以下を赤色ゾーン

結果の見方をご説明します。
一番左の列に注目します。赤色ゾーンがロスカットされるケースです。この列では、前日価格(縦軸)が28㌦以上のときに、当日価格(横軸)が1㌦になったらロスカットされることがわかります。
同じように、左から2列目に注目します。この列では、 前日価格(縦軸)が33㌦以上のときに、当日価格(横軸)が2㌦になったらロスカットされることがわかります。
他の列も同様にして、ロスカットの前日価格と当日価格を確認できます。

グッド!おもしろい表だな
ロスカットが発生する赤文字ゾーンの下落率を過去に発生した下落率ランキングと比較してみます。
表によると赤色ゾーンの下落値は最も小さいもので85%でした。
こちらは下落率です。(先ほどのは有効比率)

一日での下落率は2010/5/6の38%が最大です。このときの原因はフラッシュクラッシュ(株価が瞬間的に大きく下がること)と言われています。
第二位が2020年のコロナショックの35%、第三位が2015年のチャイナショックの29%です。


そもそも、期間における最大下落率を記録したコロナショックでさえ、全期間の最大下落率は75%程度でした。
これらと比較して、一日下落率85%はかなり大きく、まず起こりえないレベルの下落率ということがわかります。

下落率85%はまず起こらないよね!

それってどれくらい小さい確率なのか知りたくない??
わたしは、まず起こらない小さい確率がどれくらいなのか気になるタチです。
なので、計算で求めてみます。正規分布を仮定すると確率は次の式によって求められます。
$$下落率R=\frac{前日価格-当日価格}{前日価格}$$
$$発生確率P=1-\Phi(\frac{R-\mu}{\sigma})$$
μはTQQQの一日の下落率の平均、σはその標準偏差です。Φは累積分布です(エクセルだとNORM.DISTが使えます。)
一日の下落率はRを使って求めました。2010年2月12日以降の一日下落率の平均は0.01887641、標準偏差は0.03216397でした。

式に代入して発生確率を求めます。
ロスカットが発生する確率は、次の通りです。

はい、圧倒的なゼロでした。Excelの計算できる能力よりも遥かに小さいためゼロとなります。
どれくらい小さいかは、Z値を使うとわかります。

赤色ゾーンがロスカットされてしまう可能性があるケースです。ここのZ値は26以上です。
Z値とは、偏差値のようなもので、数字が大きくなるほど確率が小さくなります。
例 | Z値 | 確率 |
---|---|---|
金融機関のリスク管理基準 | 2 | 0.05% |
東大医学部の偏差値 | 5 | 0.00015% |
向上の品質管理目標 | 6 | 0.000006% |
人が隕石で死ぬ確率 | 7 | 0.0000000009% |
ビッグバン | 10 | 0.0000000(0が21個)% |
MMでロスカットが起きる確率 | 26 | 0.0000000(0が146個)% |
生命の起源 | ??? | 0.0000000(0が40000個)% |
MMを積んでいるときにロスカットが起きる確率は、ビッグバン以下であることが分かりました。

そういえば!NASAが銀河同士が衝突したときのブラックホールのダンス映像なるものを公開してたよなぁ!
【確率と影響度】まとめ
表にプロットします。
- 影響度・・・預託証拠金額のすべて
- 確率・・・26σ(0が146個)%

巷で予想されている通り、かなり小さい確率となりました。これは無視して良いかもしれません。が、対応方針については、評価の後に考察したいと思います。
切り口②:SMMとMMの比較
切り口②では、SMMとMMを比較していきます。比較するポイントは次の項目です。
- 想定するリスク
- カバーする範囲
- 支払う対価
- 発生する確率


それぞれ順に見ていくよ
【比較ポイント1】 想定するリスク

想定するリスクは、どちらも基準価格が0円まで下落するリスクです。
違いは、MMは前日価格が2,500円(つまり必要証拠金は最低の500円)を想定しているのに対し、SMMは前日価格を現在の基準価格であると想定しています。
この違いについては、パート1からこれまで説明してきた通りです。
【比較ポイント2】 カバーする範囲

カバーする範囲はどちらも同じで、証拠金預託額の全てです。違いは特にありません。
これは「切り口①:確率と影響度」と同様の内容ですね。
【比較ポイント3】 支払う対価
気になるのはココです。

「支払う対価」つまり差入証拠金について比較します。
差入証拠金は、MMが元本+必要証拠金(最小)であり、SMMが元本+必要証拠金(最大)です。
元本は同じで、異なるのは必要証拠金です。この必要証拠金の違いはどの程度影響するでしょうか。
例を使って計算します。
例として、0円~15,000円において500円単位でポジションを持つ場合を考えます。(MMとSMMを比較するだけなので円単位で簡略化した試算です。)試算結果はこちらです。
証拠金パターン | ①元本合計 | ②証拠金合計 | 差入証拠金合計(①+②) |
---|---|---|---|
MM | 232,500円 | 15,500円 | 248,000円 |
SMM | 232,500円 | 93,000円 | 325,500円 |
番号 | 元本 | 必要証拠金(最低) | 必要証拠金(最大) |
---|---|---|---|
1 | 15000 | 500 | 3000 |
2 | 14500 | 500 | 3000 |
3 | 14000 | 500 | 3000 |
4 | 13500 | 500 | 3000 |
5 | 13000 | 500 | 3000 |
6 | 12500 | 500 | 3000 |
7 | 12000 | 500 | 3000 |
8 | 11500 | 500 | 3000 |
9 | 11000 | 500 | 3000 |
10 | 10500 | 500 | 3000 |
11 | 10000 | 500 | 3000 |
12 | 9500 | 500 | 3000 |
13 | 9000 | 500 | 3000 |
14 | 8500 | 500 | 3000 |
15 | 8000 | 500 | 3000 |
16 | 7500 | 500 | 3000 |
17 | 7000 | 500 | 3000 |
18 | 6500 | 500 | 3000 |
19 | 6000 | 500 | 3000 |
20 | 5500 | 500 | 3000 |
21 | 5000 | 500 | 3000 |
22 | 4500 | 500 | 3000 |
23 | 4000 | 500 | 3000 |
24 | 3500 | 500 | 3000 |
25 | 3000 | 500 | 3000 |
26 | 2500 | 500 | 3000 |
27 | 2000 | 500 | 3000 |
28 | 1500 | 500 | 3000 |
29 | 1000 | 500 | 3000 |
30 | 500 | 500 | 3000 |
31 | 0 | 500 | 3000 |
(合計) | 235,500円 | 15,500円 | 93,000円 |



なお、前編では、上のポジションしか持たない場合における試算でしたが、今回は簡略化のため、0ドル付近までポジションを持った場合を試算しています。
どうでしょうか。
必要証拠金(緑色部分)のみを比較すると、MM15,500に対し、SMM93,000円と6倍です。ただし、差入証拠金全体だと、MM248,000円に対し、SMM232,500円と1.3倍程度です。
- 必要証拠金・・・6.0倍差(MM15,500円:SMM93,000円)
- 差入証拠金・・・1.3倍差(MM248,000円:SMM325,500円)
必要証拠金より元本の方が大きいため、差入証拠金全体への影響は限定的となります。
MMだろうがSMMだろうが、差入証拠金の大部分は、元本(黄色部分)をカバーするためのものであることが分かります。
わたし個人としては、MMを積んでいる時点でかなり及第点ですが、さらにあとちょっと入金すればSMMまで到達できる、とそんな感覚を持っています。
この入金を、大きいとみると小さいとみるか、資金効率ロスと考えるかリスクヘッジと考えるか、人それぞれです。
この辺りの見解については、次回「リスクの対応」で考察したいと思っています。
【比較ポイント4】 発生する確率
ココもちょっと気になります。

前回、SMMがカバーするリスク(MMでロスカットが発生する確率)は限りなくゼロに近いことを計算しました。
例 | 確率 |
---|---|
金融機関のリスク管理基準 | 0.05% |
東大医学部の偏差値 | 0.00015% |
向上の品質管理目標 | 0.000006% |
人が隕石で死ぬ確率 | 0.0000000009% |
ビッグバン | 0.0000000(0が21個)% |
MMでロスカットが起きる確率 | 0.0000000(0が146個)% |
生命の起源 | 0.0000000(0が40000個)% |

こんな小さな確率ならムシできるよね?SMMじゃなくてMMで良いのでは??
クマちゃんの言う通り無視が妥当なのですが、おそらくMMでも同じことが起こるのでイマイチ具合が悪いのです。
前回の計算と重複する内容になるので具体的な数値計算は割愛しませんが、確率としてはSMMと同様、MMがカバーするリスクの発生確率も限りなくゼロに近いと考えられます。そのため、MMがカバーするリスク、つまり基準価格が0円になるリスクについても同じように無視できることになります。
証拠金パターン | カバーするリスク | 確率 | リスクを許容する場合の行動 |
---|---|---|---|
SMM | MMでロスカットが生じるリスク | 限りなくゼロ | 証拠金を減らす(MMレベルに) |
MM | 基準価格が0円になるリスク | 限りなくゼロ | 証拠金を減らす(ロスカットレートを引き上げる) |
そして、このように確率の小ささを根拠に考えてしまうと、リスクを許容する判断が妥当となり、証拠金を減らすことになります。これはこれで、投資手法のテクニカルなテーマですが、安心安全というメンタル面のテーマから逸脱してしまいます。
個人的には、最初から想定ロスカットレートを高めに設定する考え方ももちろん支持しています。0円になる前に併合されるといった予想も理解できます。ただリスク許容度は人それぞれなので正解はありません。
言いたいのは、SMMについてだけ確率を持ち出すと片手落ちになってしまうため、MMについても同様に確率を把握した上で、リスク管理や投資戦略を立てる方が良いということです。
この辺りの話しも、次回考察したいと思います。

切り口②MMとSMMの比較おわりですっ
切り口③:金融ショックのSMMの副次的メリット
確率の話題からは、一度離れます。
次は、もし仮に未曾有の金融ショックが起こった場合、SMMによって得られる副次的なメリットについて考察したいと思います。
考えられるのは次のメリットです。
- フラッシュクラッシュに耐えられる
- 入金できない事態に耐えられる
- 為替変動に耐えられる
- メンタル面の安心感
【副次的メリット1】 フラッシュクラッシュに耐えられる
フラッシュクラッシュとは瞬間暴落のことです。
株式や為替市場が瞬間的に急落する現象。ヘッジファンドなどの間で導入が進む超高速取引(HFT)が、他の投資家による株価指数先物取引への大口の売り注文などに反応して、自動的に大量の売りを出すことが下げ幅拡大の原因だと指摘されています。
三井住友DSアセットマネジメント
株価など相場が瞬間的に急落すること。ダウ工業株30種平均が2010年5月6日に数分間で9%(約1000ドル)下落し、取引時間中に過去最大の下げ幅を記録したことからこう呼ばれるようになった。
野村證券
前回ご紹介したTQQQの一日下落率ランキング一位の38%が起こった原因がまさにフラッシュクラッシュだとされています。

原因はアルゴリズム取引にあるとされていますが、メカニズムははっきりしていません。
ところで、米国にはサーキットブレーカー制度(価格が一定以上変動した場合に強制的に取引を停止させる処置)があります。この2010年のフラッシュクラッシュを受けて、2013年に制度が改訂され、2020年のコロナショックではLevel1が発動しています。
このような安全弁はあるのですが、人間がやっていることなので、どこかに致命的な欠陥があってもおかしくありません。
もしも大きなフラッシュクラッシュが起こった場合に、理論上最大の証拠金であるSMMを入金しておくことで生き残れる可能性が高まるかもしれません。

【副次的メリット2】 入金できない事態に耐えられる
金融ショックが起きたときは、追加入金して安全性を確保する方法があります。
しかし、金融ショック発生中は、あらゆるシステムが機能不全に陥っている可能性があり、資金はあるのに、追加入金できないリスクがあります。
- 銀行のシステム障害で手元資金を出金できない
- 手元資金はあるのに、証券会社のシステム障害で追加の証拠金を入金できない
- 追加の証拠金を入金したが、システム障害で反映されない
このような「まさか」が起こり得るのが現実世界であり、可能性は低いが影響が大きいもしもの事態に備えることは大切だと思います。
これもSMMを積んでおくことで、回避できるかもしれません。

【副次的メリット3】 為替の変動に耐えらえる
元本部分には為替変動リスクがあります。
元本(最大評価損)=(購入価格-現在価格)×為替レート
金融ショック時は為替レートも大きく動く可能性があります。
SMMにおける必要証拠金(最大)は元本の25%です。MMにおける必要証拠金(最低)は500円なので、差額が為替レートの変動における元本部分の上振れをカバーしてくれる可能性があります。
イメージでは、最大20%程度の為替変動が起きてもなんとか持ちこたえることができそうな気がします。
為替レートは、不確実性が大きい要素です。「まさか」の事態を避けるため、SMMが役に立つかもしれません。

【副次的メリット4】 メンタル面の安心感
いくら確率が低いとわかっていても不安を感じるのが人間の心理だと思います。
不安要素は上げればキリがありませんが、金融市場を崩壊させるような急性リスクとしては次のようなイベントが考えられます。
- 隕石
- テロ
- 核戦争
- コロナを超えるパンデミック
- AIによるシンギュラリティ(技術的特異点)
このようなイベントによる被害が実際どの程度かは全くわかりませんが、SMMを積むことでメンタル面に安心できる効果は確かにあります。


切り口③はここで終わりじゃ!
総括
簡単に総括します。
- SMMに関する内容として、ロスカットが発生するリスクの評価を3つの切り口で実施。
- SMMとMMのそれぞれが想定しているリスクが発生する確率はどちらも限りなく小さい。
- 一方、支払う対価はSMMの方がMMより多いが、差入証拠金全体としては30%程度の増加と限定的。
- SMMを積むことの副次的メリットとして、フラッシュクラッシュや送金障害などのシステム面への耐久力があがること、為替変動リスクを20%程度カバーできること、心理的な安心感が挙げられる。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、リスクの評価の後編として、証拠金がカバーするリスクを考察しました。
今回のようにまずはリスク管理としてロスカットレートを0にすることの是非について理解が深まれば、次に今後の投資戦略としてロスカットレートをいくらで設定するかというさらに発展したテーマを深堀できるのではないかと考えています。^^
次回は「リスクの対応」というテーマで、証拠金に対する対応を決めていきたいと思います。
最後まで読んでいただきどうもありがとうございました。ではまた!

次回で証拠金戦略の三部作は完結です。
当サイトは投資の助言・勧誘を行うものではありません。掲載している情報については、その正確性・安全性等を保証するものではなく、あくまでも個人的見解の参考情報の提供のみを目的としております。閲覧者が当サイトの情報を直接または間接に利用したことで被ったいかなる損害についても当サイト運営者は一切の責任を負いません。投資・売買に関する最終決定はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
コメント