【比較】オススメはSSO?S&P500ダブルvsTQQQ/収益率バックテスト【トライオートETF】

こんにちは。サメハダです。

2021年7月16日にインヴァスト証券からトライオートETFサービスのTQQQ自動売買注文の稼働制限に関する告知があり、7月31日以降はTQQQの新規注文が停止されるとの発表がありました。

ユーザーに衝撃を与えたこの発表ですが、新規注文ができなくなるだけで、稼働中のものは制限されないようです。

しかしながら、今後追加の規制強化によってTQQQそのものが取引できなくなる可能性も想定されます。

そこで、TQQQに変わってS&P500ダブルを主軸とした場合を想定し、2つの利益率を比較検討しました。

フグっち
フグっち

S&P500ダブルでも大丈夫ですか?

サメハダ
サメハダ

バックテストの結果を見てみよう!

結果

まずは結論から述べます。それぞれの利益率は下記の通りになりました。

内容をご説明します。

なぜS&P500ダブルを対象にするか

TQQQに変わる候補たち

トライオートETFの取扱銘柄は現時点で全26銘柄あります。この中からポストTQQQの最有力候補を探します。

INVAST NAVIより

3つの判別基準

TQQQが選ばれる主な理由として下記の3つがあると考えます。

TQQQが選ばれる主な理由
  • 自動売買とレバレッジ物の相性が良い(リターンも大きい)。
  • 米国株は成長を続けており今後下落したとしても回復への安心感がある。
  • 成長産業のテクノロジーに特化し、巨大IT企業GAFAMを含む。

全26銘柄の中で米国株かつレバレッジ物は次の3つしかありません。

米国株かつレバレッジ物
  • ナスダック100トリプル
  • S&P500ダブル
  • 金融株トリプル

うちTQQQは取引停止なので、S&P500ダブルか金融株トリプルのどちらかです。

候補としては、GAFAM21%を含む点を重視し、S&P500ダブルを対象とすることにします。

銘柄名レバレッジ成長性
ナストリ◎(3倍)◎GAFAM比率39%
S&P500ダブル○(2倍)○GAFAM比率21%
金融株トリプル◎(3倍)×GAFAM含まず
Invest Navi by FISCOより

なお、ここからはS&P500ダブルをティッカーコードであるSSOと呼びます。

かめ君
かめ君

候補はSSOに決まり!

期間収益率の求め方

集計方法

取引ツールのビルダー機能を使って期間収益率を一つずつシミュレーションします。

TQQQの一例です

シミュレーション結果として表示される4つの指標を集計します。

集計した4つの指標
  • 期間収益率
  • 期間損益
  • 推奨証拠金
  • 発注に必要な証拠金

集計の前提

留意点①:レンジの違い

どちらも過去の最高値を上限にします。1㌦幅で100本のトラップを仕掛けた場合をシミュレーションします。

下限はTQQQが36㌦、SSOが26㌦となります。それぞれ到達した時期に大きく差があります。こちらについては後程考察します。(時系列データの出典はInvesting.comさんです。)

TQQQは2019年11月3日の週に36㌦に到達
SSOは2014年3月2日の週に26㌦に到達

留意点②:証拠金の違い

レンジが異なるのため証拠金の額も異なります。発注に必要な証拠金はTQQQが290,000円、SSOが270,000円でした。1割未満の差で、大きな差ではないと判断しそのままシミュレーションを続行しました。

発注に必要な証拠金
  • TQQQ・・・290,000円
  • SSO・・・270,000円

※影響は軽微と判断。このまま比較を続行。

留意点③:利確幅は同じ

利確幅は同じ設定とし、最小2㌦最大30㌦の9パターンを実施しました。

コーヒーブレイク~証拠金と利確幅~

証拠金の差について、本来は同じリスクで比較するべきですが、1割未満の正確さで証拠金の管理を行うケースは少ないと思われるため、大きな差ではないと考えました。同額資金における厳密な比較も大切ですが、商品が異なる以上過度に厳密な比較は避けるべきでしょう。今回は許容できる差であったと考えています。

利確幅についても同様。金額でなく割合ベースで算出するケースも想定されますが、1ドル未満の利確幅は細かすぎるのと、複数パターンを用意しておけば中間値も一目で分かるため、同じ1ドルの利確幅での比較が最適だと考えました。

どちらも必要があれば追加調査を行い、補間したいと思います。

収益率シミュレーション結果の比較

2020年1月以降の期間収益率

まずはどちらも価格がレンジ内に収まっている2020年1月以降の比較です。

TQQQ(2020年1月以降)
SSO

推奨証拠金は当時のレートにより変動する上に必ずしもリスクを反映しないためグラフから除きました。

考察
  • やはりTQQQ収益率はSSOよりかなり高い。
  • 例えば利確幅4㌦の場合、TQQQの期間収益率は27%、SSOは15%の差。ただしこれは推奨証拠金と期間損益の比率。推奨証拠機は変動するため指標として劣る。
  • そこで、発注に必要な証拠金との比較である”比率a/b”をみる。TQQQは62%、SSOは31%であり、ダブルスコアの差となっていることがわかる。(感覚的な予想よりかなり差がある結果に見える。)
  • 利確幅15㌦や30㌦になると差が小さくなるが、そのように設定は稀なのであまり意味はなさそう。

2019年1月以降の期間収益率

シミュレーションの期間を2019年1月~に広げてみます。(TQQQが下へレンジアウトした状態から始まります。)

2020年1月~ → 2019年1月~
TQQQ(2019年1月以降)
SSO(2019年1月以降)

期間収益率は1年間に直した値でなく、2019年から現在までの期間損益を推奨証拠金で割った単純な割合です。期間を広げても期間損益は減ることはないので、2020年~の期間収益率は、2019年~の期間収益率と同じか増えます。増加額が少ないと資金効率は落ちていることになります。

考察
  • TQQQ収益率がSSOより高いのは変わらないが、差は小さくなった。
  • 例えば利確幅4㌦の場合、”比率a/b”をみると、TQQQは63%、SSOは38%であり、ダブルスコアではなくなった。しかしこれはTQQQがレンジアウトした期間があることが要因なのでフェアな比較とは言えなさそう。
  • 比較でなく、SSO単体に着目する場合、レンジアウトしにくく安定して利益を積み上げるという点がメリットになる可能性がある。

収益率(比率a/b)の比較

表に示す期間収益率は「期間損益/推奨証拠金」で算出されます。分母の推奨証拠金は表に示すとおり数千~数万円変動するので比較対象として不適切と考えました。そこで、変動しない発注に必要な証拠金を使いました。「期間損益/発注に必要な証拠金」を収益率の指標として再定義し、比較します。

収益率の裁定後

収益率(a/b)=期間損益/発注に必要な証拠金

収益率を集計した表がこちらです。

TQQQとSSOで大きな差が見られます。正直ここまで差が大きいとは私も思っていませんでした。原資産の違いに加えて、2倍か3倍かの違いが寄与しています。もしS&P500トリプルがラインナップにあれば検討の幅が広がったかもしれません。

やはりTQQQの凄さを改めて感じました。ただ、比較しなければSSOも十分健闘していると思います。

皆さんはいかがでしょうか。

SSOの安定性に目を向ける

少し視点を変えてみます。

資金効率ではTQQQに劣っていたSSOですが、逆にその安定性がメリットになり得ます。

SSOはTQQQよりも価格が安定しているため、比較的レンジアウトしにくいと考えられます。今回は最長で2019年1月~の集計でしたが、価格が下限である26㌦を超えたのは、2014年3月2日の週です。つまり7年以上100㌦のレンジに収まっている状態です。

それが良いのか悪いのか現時点では一概に判断できませんが、TQQQのように価格が上昇しすぎると証拠金の想定が都度変わり悩みの種になることがあります。その点でSSOは安定していると言えます。

SSOのメリット①

比較的価格が安定しておりレンジアウトしにくい。資金管理がしやすい。

また、これまでの上昇局面ではTQQQを自動売買するよりも現物TQQQを持った方が効率が良い相場となっていました。つまり、利益率の高いものから「現物TQQQ>トライオートTQQQ>トライオートSSO」という順番です。

トライオートTQQQの儲けはうれしいけど「現物を保有した方がもっと良いのでは?」と隣の芝生が青く見えた方もいるのではないでしょうか。

仮に、トライオートTQQQが売買停止になったとしても、現物TQQQ(またはその他のトリプルなど)とトライオートSSOの2つの資産を保有することで、上昇・横ばい・下落どの相場でも安定して利益を確保できる。そんな盤石な投資スタイルも組成可能かもしれません。

SSOのメリット②

現物TQQQとの組み合わせで、より安定した投資スタイルを追求できる可能性。

こちらについては引き続き分析し、追及していきたいと思っています。

タコさん
タコさん

トライオートの研究は続く!

総括

  • TQQQの収益率はSSOより高く、相場の良い2020年1月以降でダブルスコアとなる場面もある。
  • SSOの安定性に着目し、TQQQ現物(またはその他のトリプル)とのポートフォリオによって安定的に利益を追求する投資スタイルを模索できる可能性がある。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、インヴァスト証券のTQQQ停止という衝撃の発表を受けて、TQQQとSSOの収益率について分析してみました。

現物TQQQの保有が選択肢に入ってくると難易度がグンと上がりますが、引き続きいろいろ考えていきたいと思います。

結局はトラリピのように総推移と高低差に収れんされる問題のような気もしています。分足データは持っていませんが日足データはあるのでボラティリティの分析に関しても追ってご報告したいと思います。

今回のデータが少しでも皆さんのお役に立てば嬉しく思います。

ご意見ご質問があればお気軽にお寄せください。

今回は以上です。引き続き一緒にがんばりましょう!ではまた!

まん太
まん太

最後まで読んでくれてありがとうございます。

トライオートETF

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